KENGA EGG

早稲田を2012年に卒業し、メーカーに就職した人のブログ。メインはツイッター@ken_802。
たまに気になったことをポストします。

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「今の環境は、あなたの自己責任ではないよ」論の限界

若者自殺、初の千人超え…学業不振・進路で悩み

「不景気は若い世代の責任ではない」ということはよく言われる。上の政策とか考えるオ偉イサマ方は、そう考えて施策を万事尽くすべきかもしれない。ここでは、制度の話ではなくてあえて個人の話をしよう。

若い世代は、「今の環境はあなたのせいじゃない」と言われようと、それを安易な自己肯定に結びつけるべきではない。文句言ったって、社会環境は変わってくれないのだから。結局、自分のケツは自分でまくるという姿勢は忘れちゃいけない。

それに、新卒一括採用以外のルートだっていくらでも世の中にはある。よくある話を言えば、バイト先で正社員の誘いを受けることなどがあげられると思うけれど、とにかく現状を打破するためには足を動かすしかないときだってある。

うだうだ言ってないで、とりあえずまだ受験勉強や新卒採用というゲームが変わっちゃいないんだから勉強と就活という、目の前のことは一生懸命やるべきだと思う。

世の中が大変っていくら言ったってうまくやれるヤツはいる。要領のよさももちろんあるかもしれないけど、見せてないだけで、どれだけその人たちの背後に血のにじむ努力があるかは想像に難くないだろう。

社会のせいにして、「自己責任じゃないんだから」なんて甘えず、やれることを探して、それをどうこなしていくか、考えていくべきだろう。自己責任と片づけられる世の中なんだから、自己責任で努力するしかないゲームだと、個人のレベルでは認識を変えるべきだ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120309-OYT1T00332.htm?from=tw

(※制度として「セーフティネット」を整えることは重要と考えていますが、あえて今回は個人の話に焦点を絞っています。制度の話はまた別の機会に。)

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若い世代の幸福・不幸論~就職活動・雇用という現実

 先月放送された、朝まで生テレビでは「若い世代の幸福」について語られていた。古市憲寿氏の『絶望の国の幸福な若者たち』を叩き台にしたものだった。

 学生団体であったり、サークルであったり、学生時代の前半まで色んなところで活動していた僕にとって、すごく思うことがあったので、ここで書き記しておこう。

 この本の概要を、ものすごくおおざっぱに要約するとのこのようなものになると考えられる。


「若い世代は、今の幸せしか見えていない。不安をいくら煽られても、どれほど恐ろしいものかなんてのはわからない」


 日本は、世代間格差が統計上は拡大している。将来は絶望的で、若い世代がワリを食っている事実もある。しかし、若い世代は『今自分が幸せだ』と答える。なぜなら、将来が絶望的だとしても、ボランティアでも、ネット上の活動でも、幸せを見つけるためのツールはたくさんあるのだから。

 この問題は、2つの矛盾から主に起こっている。

 まず、将来に不安があったとしても、その不安が具体的にはわからない。年金がもらえないとか、この国の財政赤字がヤバいって言われたって、それが自分達の生活にどう直結するかなんてわからないのだ。

 一方で、サークルでみんなで一生懸命新入生集めのためにあくせくしたり、ボランティアに行って少しでも人の役に立てたという実感を持てたり、自分の発言がリツイートされまくったりすることで、「今は自分は楽しい」し、「人に認めてもらえる」って思える。いくら将来の不安を煽られたって、今「楽しい」と思えることが多いと、自分の将来のことを真剣に考えるきっかけがないのだ。


 現実を知らない若者の例として、自分自身の体験談をあげておこう。

 これは僕自身の肌感覚でも非常にわかる。先ほどにも述べたように、僕もたくさん色んな活動をしてきた。本当に楽しい時間を過ごさせてもらえたことは多いし、色んな人にお世話になった。

 僕は学術系のサークルで勉強会をやったり、トークイベントとして自分達でディスカッションを生放送したりという活動をしていた。無論、そういうところにいたもんだから、若い世代がいかにワリを食っているかなんてのは話としてはもちろんわかっていた。何せ、意識が高かった(笑)ものだから。

 だが、それは具体的に「自分が実際にその立場になりうる」という実感なんてなかったのだ。就職活動で、僕はその「現実」をはじめて経験することになった。頭でわかっていても、現実にぶち当たった時、自分はどうすればいいのかわからなかったのだ。それなりに大学で一生懸命勉強して議論慣れしていたし、経済学や思想のちょっと小難しい話もわかるし、雇用難なんて、多分自分には関係ない話だと思っていた。もちろん、本読んでわかったつもりになってたり、見通しの甘すぎた個人的な僕自身の問題があったことはここで指摘しておく。

 けれど僕は、就職活動でそんな自信はボロボロにされた。一体最終的に、何社祈られたかわからないが、自分自身がこんなに弾かれるなんて、プライドばかり高かったゆえに、想像もつかなかったのだ。就職活動なんてぶっ壊したくなる気持ちもすごくわかった。

 冷静に考えてみれば、企業は今、グローバル化(※)という厳しい競争に晒されているのだから、その競争で勝ち抜くための人材がほしいに決まっているのだ。それを考えずして、目先の議論の楽しさにおぼれていた自分自身がいたことを実感せざるを得なかった。好むと好まざるに関係なく、今そのゲームに参加させられているのだ。

 (※)勘違いされたくないので付言しておく。最も、グローバリゼーションはどう考えても不可逆な現象なので、この時代は所与として考えるべきだと個人的には考えている。だから、このゲームの否定をするデモ、社会運動の類には同意できないことのほうが多く、方法論としては別のやり方を考えるべきだと思っている。

 

 周りの友達がみんな決まったけれど、なかなか就職先が決まらなかった頃、若い世代の雇用難はの自分にも襲い掛かってくるのだということを僕は初めて実感した。社会に弾かれるってこんなに精神的にキツイのかとも思った。

 頭でわかったつもりでいることと、現実にそれに出くわすことは違う。

 (僕は今のところは普通に大学を出て社会に出るから、レールの上を走っているし、「恵まれた立場の人間の戯言」にこの経験談は聞こえる人もいるだろうが。)

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 物事は、第三者の目から見る視点と、自分自身が当事者になる視点とでは大きく違う。あれこれ好き勝手自由に言える第三者と、自分でその現実の具体的な問題を何とかしなければならない当事者。

 自分自身の経験からも思うことは、若い世代は「第三者」の目線から「将来はヤバいらしい」程度にしか見ていない場合が多いのではないだろうか。なぜならば、今が「楽しい」し、その問題の「当事者になる」とは、考えられていないから。

 

そう今、若い世代は「社会のことがよくわからない」からこそ、「幸せ」とアンケートに恐らく答えているのである。生まれたころから不況しか味わってこなかった世代だし、いくら「ヤバイヤバイ」と煽られても、感覚がマヒしている。

 僕だってこの国の恐ろしさが自分にどう降りかかるかわからない。上記の自分の体験はきっと、その片鱗を見ただけだろう。そんなことはわかっている。

 少なくとも、僕個人の考えでは、現在若者は幸せかもしれない。けれど、それは不確かな将来の実感を持たない幻想にまみれたもの以外の何物でもないのではないのだろう、と思う。


 そして、若い世代は就職活動や雇用不安にさらされて初めて、この時代のキツさに気づき始める。それがきっと今の現状なのだ。


(追記)なお、勘違いされたくないので繰り返しますが、僕はこの記事をあくまで現状分析の一つとして実体験をまじえて書いたつもりです。若い世代がこうした「将来の恐ろしさが見えてない」現状がある中、僕は政治運動を推奨するつもりはありません。むしろこの中で「どう生き抜いていくか」を個人個人が考えるべきだと思っています。

(出典: amazon.co.jp)

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フォード、中国で生産休止 自動車大手で初、部品不足で

 米自動車大手フォード・モーターは25日、マツダと中国で合弁生産する工場が1週間の生産停止に入ったと発表した。東日本大震災の影響で日本からの部品調達が滞る恐れがあるためという。震災を理由に自動車大手の中国工場で生産が止まることが明らかになったのは初めて。

 停止するのは、マツダや中国の長安自動車と合弁生産する「長安フォード・マツダ」の南京工場。フォードの小型車「フィエスタ」、マツダの小型車「マツダ2(日本名・デミオ)」などを組み立てており、「将来の部品不足を予防するため」という。フォードとマツダは「予定していた休日を前倒しで取る形にする」と説明している。

 中国では、日本からの部品調達が滞って減産を余儀なくされているメーカーは多いが、操業停止はこれまでなかった。世界最大の自動車市場になった中国でも震災の影響が色濃くなってきた。

 フォードは同時に、台湾の子会社「福特六和汽車」で2週間、南アフリカ工場で1週間、それぞれ操業を停止するとした。(ニューヨーク=山川一基)

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「移民受け入れという慈善」はやめた

Cameron Pledges to Cut Back on U.K. Immigration

優秀な移民以外はお断り──欧州屈指の寛容さを誇った受け入れ大国が保守党政権下で規制に乗り出した

2011年04月15日(金)16時32分

拒否されて フランスからイギリスに渡ろうとして仏警察に捕まった難民 Reuters

 イギリスのデービッド・キャメロン首相は14日、南部ハンプシャー州で開かれた保守党の会合で行った演説で、EU諸国以外からの移民の受け入れを制限する方針を明らかにした。

 キャメロンが移民政策に特化した演説を行うのは、1年前の選挙戦以来。移民の受け入れ数を現状の年間「数十万人」から「数万人」に減らすと約束した。

 インドのビジネス・スタンダード紙によると、キャメロンは演説でEU圏外からの移民が多くなった要因としてイギリスの福祉制度を批判。その上で、現政権は「大量の移民ではなく優秀な移民」のみを歓迎すると発言した。

「問題は、働かない国民を長年支えてきた福祉制度のおかげで、ぽっかりと空いた労働市場の穴を、移民が埋めているということ。非難されるべきは、このひどい福祉制度であり、前政権がその改革に完全なまでに失敗したことだ」

 インドのヒンドゥスタン・タイムズ紙によると、キャメロンはさらに、前政権である労働党は大量の移民と不法移民(主に学生や合法移民の家族)が法の抜け穴を利用して入国してきたことを傍観していたとも批判した。

 英ガーディアン紙によれば、英語を話せなかったり社会に同化する意志のない移民は、コミュニティーを分断させる「一種のわだかまり」を生んでいるとも語った。

 ガーディアンが公開しているキャメロンの演説全文から、要点を一部引用すると──。


■移民の大量受け入れは善行で、経済もおかげで助かっているという主張もあれば、移民はイギリスの寛大な福祉制度を悪用しているという主張もある。こうした両極端な主張をただし、分別ある理論的な議論を展開することが、政治家の役割だ。

■しかし先の労働党政権はそれとは逆に、議論を煽ってきた。移民に反対するのは人種差別だとでも言うように議論そのものから目を背けた閣僚もいれば、自身の保守派としてのイメージを守ろうと躍起になって反移民を叫びながら、移民削減へ向けて何一つ具体的な行動を起こさなかった閣僚もいる。

■わが国は移民から計り知れないほどの恩恵を受けてきた。どこの病院に行っても、ウガンダ、インド、パキスタンなどから来た人々が病人や弱者の世話をしている姿を見かける。学校や大学では、世界中から集まってきた教師がイギリスの若者たちに刺激を与えている。外国から来た起業家たちは地元経済に貢献しているだけでなく、地域社会の一員としての役割を果たしている。

 移民がイギリスに多大な貢献をしていることは間違いないし、われわれも歓迎している。だがそれでも、私にははっきりさせておきたいことがある。長い間、イギリスは移民を多く受け入れ過ぎてきた。

■移民の制限は、この国の将来にとって非常に重要な課題だ。だかこそ、わが保守党は選挙戦中に国民にはっきりと約束した。移民の数を80〜90年代のレベルにまで削減することを。そして政権を取った今、われわれはこの目標の達成に向かっている。

 合法移民については、EU諸国以外からの移民の数に上限を設ける。不法移民については取り締まりを強化。難民の認定ついても見直しに取り掛かった。こうした取り組みの成果は見えてきている。

■とても若く英語がほとんど話せない外国人が英国民と国際結婚するケースがある。この場合、政治的公正に反したとしても、偽装結婚の可能性を疑わないわけにはいかない。昨年11月より配偶者ビザ申請の条件として最低限の英語能力の証明を求めているのも、そのためだ。われわれはまた、イギリスに来る配偶者の年齢制限を21歳以上と規定した。

■もちろん、イギリスは今後も世界の優秀な頭脳や、迫害から逃れてくる人々を歓迎する。だが現保守党政権の下、わが国の国境は開放されているわけではなく、移民の数は受け入れられる範囲でなければならない。そこに「もし」とか「しかし」といった条件はない。これは、われわれが国民と交わした約束であり、決して破ることのない約束だ。


GlobalPost.com特約

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資生堂/仮想商店街を来春開設

資生堂は4月13日、2012年4月からウェブマーケティングを強化すると発表した。美と健康をテーマとしたサイトを新たに立ち上げ、化粧品に限らず異業種を含めバーチャルなショッピングモール(仮想商店街)を開設する。
美容に関心が高いお客に向け「ビューティープラットフォーム」(BPF)と称する新サイトを立ち上げ、化粧品以外の業種も含めた企業から出店者を募り、ネット上に仮想商店街を構築する。
現在、資生堂の顧客組織「花椿CLUB」メンバー数は2009年度で558万人となっているが、「ショッピングモール」への出店が見込まれる企業が持つ顧客数を合算すると、3倍から4倍規模になると想定する。
ウェブ利用率は資生堂との接点が比較的手薄な10代~20代の世代が高いため、新たな顧客の開拓にあたり大きな効果が期待できるという。
また、BPFで業種を超えて「集客」したネット来訪者に、資生堂のファンにするために公式ホームページ「資生堂ウェブサイト」の機能を再編・強化する。
新公式ホームページでは、従来の商品情報発信に加え、資生堂の契約店を紹介する店舗ナビ機能、オンラインカウンセリング機能、365日、24時間受注可能なオンラインストアなども新たに構築する。
資生堂が提供するサービスをウェブ上でも体験できるように、問診による最適ブランドの紹介や使い方提案をする機能や、電話、ウェブチャット、テレビ電話などを通じて、美容ソリューションを提供する機能を搭載する予定だ。
最寄の資生堂の契約店や、各店舗でのサービス情報を検索するページや、ウェブサイトから直接、サービスを予約する機能などで、実店舗への送客を目指す。
一部の契約店とは、顧客データを共有し、店舗から顧客に対するメールなどによるフォローや、サービス情報発信を適切なタイミングで行うカスタマーリレーションマネジメント(CRM)を強化し、会員の固定化促進を契約店と一体となって強化する計画だ。
2011年度からは、販売会社が契約店に対して「売場の魅力」や「接客・応対」の向上など、「お客さまに選ばれる店づくり」の実現に向けたサポートを強化するほか、本社専門店部に次世代経営支援の専門組織を立ち上げ、IT環境の整備など既存店販ビジネスを支援するという。

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裸心-なぜ、彼女たちはAV女優という生き方を選んだのか。

本屋でたまたま、上記のタイトルの本をみつけて読んでいた。(スケベ心があったことは、ちょっとした秘密なのだが) やましい気持ちなんてすこしもないんだから!

この前、NHKにも穂花が出ていてつらい過去を独白していたりしていたと思うけれど、性産業に携わる人間は、社会的な弱者の扱いを受けることが多い。

肉親からの幼少からの虐待、レイプ・・・etc。

だが、この集英社から出たインタビュー本では、むしろものすごく楽しそうにAVという仕事をしている彼女らのあり方だった。赤裸々な、自己表現としてのセックス。

ステレオタイプ的な観念を少し破られたように感じたが、ここで考えなければならないのは、2点ほどあると思った。

①社会的観念から逸脱する勇気はどこからきていたのか。

②ある意味、理性よりも性的な本能に語りかけるのがAVだと考えられる。この場合の表現とは、誰に対しての、何の表現なのか。(動物性とか、単純なことではなく)

この変が、すごく気になるところ。

かじり程度にも社会学をやっていた自分は①が気になる。

実社会で「まとも」と言われるコミュニティから逸脱しても、別の社会のコミュニティでの承認があるからこそ、揺るがないものになっているのか。はてまた、まったく別の超越的なインスピレーションから、そこに入ることを決めたのか。

このときのインスピレーションは、どこから沸いたものなのか。

AV女優から見える社会。考えてみると、結構面白いものでした。

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東日本大震災の経済的影響をどうみるか
~震災前水準への復帰には時間がかかる

2011年4月12日
チーフエコノミスト 杉浦哲郎

直接被害額は最大25兆円

  東日本大震災がもたらした被害は、あまりに甚大である。内閣府は、建造物(家屋、工場、病院、学校、道路など)や機材(設備、船舶など)の倒壊・消失に伴う損失額(直接被害額)を16兆~25兆円と推計している。阪神・淡路大震災(9.6兆~9.9兆円)を大きく上回る損失である。

  地震の被害はそれにとどまらない。上記の直接被害は設備等ストックの消失額についてみたものだが、工場や店舗の罹災に伴う生産・売上の減少といったフローの経済活動への影響(間接被害)もある。阪神・淡路大震災ではそれが7兆円強に達したとの推計があるが、今回の震災で、当時と同じ比率(間接被害額/直接被害額)で間接被害が生じているとすると、その金額は11兆~18兆円に達することになる。

  今回の震災では、間接被害額がさらに大きなものとなる可能性もある。工場の罹災に伴う部品や素材の生産減少は、それがさまざまな製品に用いられていることから、当該地域の経済だけでなく、サプライチェーンの途絶を通じて、海外を含む他地域の経済にも大きな影響を及ぼしている。また、電力供給の制約による生産の減少は、関東など東北以外の経済にも大きな影響を及ぼす。さらに、原発事故に伴う農業・工業生産の縮小、自粛ムードの高まりによる消費の抑制なども想定される。

当面の日本経済への影響~短期的な落ち込みの後は回復へ

  では、以上のような直接・間接の被害、およびこれから出てくる復旧・復興の動きは、当面の日本経済にどの程度の影響を及ぼすのか。

  まず、足下の経済活動は大きく落ち込んでいる。震災と停電の影響から、3月は多くの企業が操業を停止した。とくに自動車メーカーは、ほぼ全社が全国の生産を停止した結果、3月の生産台数は50~60%減少したと推定される。自動車の減産だけでも、全国の鉱工業生産を7~9%押し下げたとみられ、消費の停滞などその他の影響も含めて考えると、3月の生産は前月比10%程度の大きな落ち込みになったと考えられる。

  では、その後の推移をどうみるか。

  阪神・淡路大震災後は、生産や個人消費が一時的に大きく落ち込んだものの、その後、短期間で生産が再開され、毀損した工場設備の修復も始まり、また復興事業等で公共投資も大きく増加したことなどを背景に、マクロ経済への影響は、地域ベースでみても全国ベースでみても、軽微にとどまった。

図表:阪神・淡路大震災時の経済指標

  今回も、4兆円規模の補正予算が4月に組まれる見込みであり、それが夏場以降の景気を押し上げることになる(注)。それ以降も、復興のための累次の補正予算が検討・実施されることになるだろう。その総額は、10兆円を超えるとも報じられている。

  また、民間設備投資に関しても、当面は業績悪化懸念に伴う投資先送りなどがありうるが、2011年度下期以降は、毀損した設備の復旧工事が進み、景気を押し上げることが予想される。実際、東北に多く立地する自動車関連企業、電子部品関連企業では、本社や取引先企業の支援も得て、復旧作業がすでに始まっている。ちなみに阪神・淡路大震災後は、地震直後の1995年4-6月期には、設備投資が年率二桁ペースで回復した。

注:2011年度補正予算の財源については、予備費の活用、既存事業等からの振り替え(法人税引き下げの見送り、高速道路無料化の中止等)も検討されている。その場合、ネットの景気押し上げ効果が減殺されることには、注意が必要である。

回復を遅らせる供給制約

  問題は、復旧・復興に伴う景気回復のペースがいつどこまで高まるか、また回復後の経済活動が震災前の水準まですぐに戻るかどうか、という点にある。結論を先に言えば、日々刻々と変化する情勢下(とくに原発事故の問題)で、あくまで現時点での判断になるが、回復の動きは緩慢であり、また経済活動水準が震災前のトレンドに復帰するには時間がかかる可能性は否定できないと思われる。

  焦点は二つある。第一は被災した工場の生産再開やサプライチェーンの修復にどれくらい時間がかかるかであり、第二は今夏の電力不足が生産活動に及ぼす影響である。

  まず、生産回復の動きについてだが、企業は急ピッチで生産を再開している。新聞等で報じられているところによれば、自動車各社は4月中旬までに生産を再開しているし、震災で被災した電子部品や各種素材の生産工場でも、4月中に再稼動するところが少なくない。日立製作所の日立事業所では、半導体関連等一部を除き、4月末には全面的な復旧を見込んでいるという。阪神・淡路大震災の経験が示すように、震災による大きく広いダメージにもかかわらず、生産の立ち上がりは早い。それだけ、日本企業の対応が迅速かつ柔軟性だったということだろう。

  しかし、少なくともしばらくの間、再開後の生産水準が震災前を下回る状態が続くことは避けられないのではないか。自動車用半導体など重要部品の生産再開が遅れており、自動車各社が手持ちの部品在庫を使って生産を再開したものの、車種や台数を震災前に戻すことは難しいという。また、沿海部の大型コンビナートが被害を受け、金属(亜鉛など)や樹脂(BT樹脂など)、化成品(過酸化水素など)の生産が滞っている結果、鋼板や電子部品の生産に支障が生じているが、コンビナートの再稼動は5月以降にずれ込み、またすべての製品の生産が再開するのはさらに先のことになるという。総じていえば、生産再開後の生産水準が震災前の7割程度に止まるとの指摘が多い。

  内外他企業・工場での製造品による代替も、必ずしも容易ではない。被災地域の企業が生産していた部品・素材は、特定企業・製品向けの特注品が多いとみられるし、自動車部品のように、信頼性を確保するために、生産プロセスを含め広範な領域でのチェックを必要とするものもある。また、高い精度が要求される部品・素材では、震災で壊れたり歪みが生じた製造機械の修復と安定に時間がかかるという事情もある。それらを踏まえれば、生産が本格的に立ち上がるのは5~6月以降で、生産水準はしばらくの間、震災前を3割程度下回るとみておいた方がよいのではないか。

  次に、電力不足の影響に触れる。政府が発表した「夏季の電力需給対策について」(4月8日)によれば、東京電力管内では今夏、最大1500万kwの電力不足(ピーク電力需要の約25%に相当)が生じる見込みであり、それを500万kwの供給力増強と1000万kwの需要抑制で埋めるという。

  需要抑制策としては、大口需要家における使用制限(電気事業法第27条)や自主的な削減、オフィスビルや家庭での節電(照明の間引き、ネオン消灯、エアコンの設定温度引き上げ)が考えられており、計画停電は「原則不実施」とされている。

  需要抑制が、制度による強制や業界内調整に基づく自主削減で行われることに関しては、社会主義的との批判もあろうが、実効性を担保するという観点からは適切な対応ではないかと考える。電力需要の価格弾力性は低く(0.1程度といわれる)、ピーク価格引き上げや特別税賦課による需要抑制は不十分なものとなる可能性がある。

  また、計画停電が原則不実施となったことは、計画停電が持つ生産への悪影響増幅という懸念や不確実性を緩和するうえで、望ましい対応であったといえる。実際、生産設備再稼動までに一定の準備や整備が必要なケース(ペットボトル飲用水や研磨材など)では、通電が再開した後もしばらくの間は生産停止を余儀なくされるだろうし、半導体シリコンやヨーグルトのように生産の中断が品質に悪影響を及ぼす場合には、計画停電が予定されている中ではそもそも生産できないということになる。また、計画停電がより広い地域やインフラを対象に行われざるを得なくなれば、消費を含む経済活動全般に与える悪影響が予想を超えて拡大する懸念も否定できない。

  とはいえ、生産現場での電力需要抑制はそのまま生産の減少を意味するわけであり、また、小売店舗などでの営業時間短縮が消費活動を抑制する可能性もある。さらに、需要抑制が不十分な場合には計画停電を余儀なくされることになり、今夏の電力不足が当面の景気回復にとって、大きな下押し圧力をもたらすことには変わりない。

Known Unknownとダウンサイドリスク

  以上の諸点を踏まえて当面の景気を想定すると、2011年1-3月期は、震災による操業停止・停電や物流のネックなどにより、経済成長率はマイナスとなったとみられる。4-6月期は、各業界で生産が再開されることに加え、夏場の減産を前に在庫積み上げの動きも起きると予想されることから、さらなる落ち込みは避けられる可能性があるが、景気回復の動きはなお緩慢なものにとどまる。そして、夏場の減産期を経て年度後半になると、復旧・復興に向けた公共投資が現れ設備投資も修復が進んで、景気を押し上げることになるだろう。しかしその水準は、震災前の水準を下回るものとなる可能性が小さくないのではなかろうか。

  以上のようなシナリオには、ダウンサイドリスクが付きまとう。

  上述した電力不足の影響が、とくに計画停電が実施される場合には、より大きく現れる懸念がある。復興需要の顕現までに予想以上の時間がかかる可能性もある。津波により壊滅的被害を受けた地域では、復興計画の策定と住民の合意までに時間がかかるだろう。震災前の市街に戻すのか、あるいは新しい場所に新しいコンセプト(例えばコンパクトシティ)に基づいて街を創造するのか、議論が交わされるに違いない。原発問題で避難長期化を余儀なくされる地域では、復興事業の執行が遅れる可能性がある。

  定量化が難しい不確定要因(known unknown)も多い。ひところより和らいできたとはいえ、家計の消費自粛が続けば、景気の回復力は低下する。企業のイベントや広告取り止め、外国人旅行者の訪日減少も、マイナス要因である。海外企業による部品購入先の日本以外の企業へのシフトが起きれば、国内生産は持続的に下押し圧力を受けることになる。そして、原発事故の影響がどこまで広がるか、現時点では予想がつかない。

  また、たとえフローの景気がいずれ上向くとしても、震災によって失われたストックを修復するためのコストは、本来ならば被災地域や日本全体の付加価値をさらに高めるために使われたはずのものだから、そこにおいて大きな損失が発生していることに変わりはない(仏経済学者フレデリック・バスティアがいう”Broken Window Fallacy”)。さらに、地域経済に焦点を当てれば、農林水産業や、自動車・電子部品・情報通信機器製造業が大きな比重を占める東北地方が、大きくかつ持続的な下押し圧力を受けることも疑いない。

  そのような中で、明るい材料を挙げるとすれば、海外経済が回復を続けており、輸出拡大が景気を押し上げていることである。それは、世界中が需要喪失に見舞われたリーマンショック後とは明らかに状況が異なる。一方で、輸出の主力先である新興国の経済が、インフレや金融引き締め、不動産価格の上昇などを背景に不安定化していること、震災に伴う国内生産の抑制が輸出の制約となっていること、放射能汚染を危惧する外国政府が日本製品の輸入に慎重になっていることなどを踏まえれば、輸出が国内生産の減少を完全に補うことも難しいだろう。

  震災後の日本経済がそれ以前の状態に戻るまでには、なお時間がかかるとみるべきだろう。

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新日鉄、タイに鋼板新工場 自動車や家電向け

 新日本製鉄は4日、自動車のボディーに使う高級鋼板の新工場をタイに建て、2013年に稼働させると発表した。投資額は3億ドル(約250億円)。東日本大震災で国内の打撃は大きいが、外需を取り込む計画は着実に進める。

 高級鋼板は、さびにくい「溶融亜鉛めっき鋼板」。低価格車から高級車まで幅広い自動車のボディーに使われ、冷蔵庫など家電向け需要も期待できる。

 新工場は年36万トンの生産能力を想定。タイ南東部のラヨン県で年産100万トンの能力を持つ冷延鋼板の工場の隣に建て、物流や保守点検のコストを削る。輸入ではなく現地生産で価格競争力を高める。

 新日鉄によると2010年のタイの自動車生産は164万台。リーマン・ショックで低迷した09年の100万台から急回復した。溶融亜鉛めっき鋼板の需要は70万トンだったという。

 タイではJFEスチールも13年4月に年産40万トンの能力がある同鋼板の工場を稼働させる計画。新日鉄の新工場とあわせて10年の総需要を上回る規模になる。

 だが新日鉄は、タイの自動車生産は数年で年200万台に達し、いずれ250万台に届くと見込む。東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国や豪州への鋼板の出荷も予定するという。

 鉄鋼業界では新日鉄の釜石製鉄所や住友金属工業の鹿島製鉄所が被災。顧客の自動車業界とともに国内は需給ともおぼつかないが、外需は逃さない考えだ。

 神戸製鋼所はバンコクで自動車部品向け鋼材の生産設備を増強済み。住友金属も台湾大手などと組み、ベトナムで高級鋼板の生産に乗り出す。新日鉄の計画について野村証券の松本裕司氏は「注目が集まる日本の製造業が、海外で成長戦略を進めるとのメッセージになる」と話す。(志村亮)

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災害と子どもの心のケア


命をおびやかす怖かった体験からの回復には、「安心・絆・表現・チャレンジ」の体験が必要です。大規模災害ですから、直後は、生活支援と体のケアを中心に、「安心と絆」の体験を深めましょう。

ライフラインが復旧し、学校が再開された後に1~2週間(災害からは1ヶ月ぐらい)ぐらいから、表現とチャレンジ体験を少しずつ進めていきましょう。津波被害が甚大ですから、「海を見ることができない」「海に行けない」という回避反応が起こるようになりますので、その時期にはチャレンジが課題になります。

家族を失った子どもさん、家族の安否がわからない子どもさんには、「安心・絆」の体験から、心の中で、今はいない大切な人と会話ができるようになることが遠い目標です。

災害から1~2週間

 避難所で生活している子どもたちには、安全感・安心感が回復できるようなかかわりをしましょう。

  • 家族と連絡が取れないときは、情報が得られるように寄り添いましょう。
  • 食料の確保、寒さ対策など、必要なことを伝えてください。
  • 余震の対応;自分も命を守ることができるというメッセージと方法を伝えましょう。
  • 怖い気持ちは、命を守る大切な感情であることを伝えましょう。
  • さまざまな心と体の変化は、誰にでもおこる当然な反応であることを伝えましょう。
  • 被災体験を聞き出そうとしたり、被災体験の絵を描かせようとしないでください。
  • 食欲がない時は、水分補給をしたり、少しずつ栄養を身体に送りましょう。
  • 眠れない時は、身体に一度ぎゅーっと力を入れて、ふわーっと力を抜くと眠りやすくなります。ストレスマネジメントを学びましょう。
  • 避難所でできるお手伝いを子どもたちにもお願いしてみましょう(こんな時、自分に何かできることがあれば、自信を取り戻します)。

災害から2週間~1ヶ月

 ライフラインがある程度復旧してきたら、ボランティアとチームを組み、“子ども遊び隊”など避難所巡回活動を始めましょう。

災害から1ヶ月~2ヶ月

 学校での子どもの心のケア活動を開始します。

  • 教師とカウンセラーが協同して子どもの心のケアにあたります。
  • 災害ストレスとその対処の心理教育のメッセージ、ストレスマネジメント体験の活動、自分の心と体の反応をチェックする“心と体のストレスアンケート”を実施し、反応の高い子どもさんには個別相談を実施します(心と体のアンケートの実施は、学校が再開され、1~2週間ほどしてから行うほうが良いと考えられています。実施の手順については後日配信します。)。
  • 災害に関する回避(話したくないなど)が強くなります。直後の回避は良い対処ですが、ずっと回避し続けることは、トラウマ反応を持続させます。

災害から2ヶ月~半年

 心のケアの授業(仲間づくり、ストレスマネジメント、3つの言い方、上手な話の聴き方など)を始めましょう。

災害から1年

 1年目が近づくにつれ、つらい気持ちになります。つらい体験に向き合う機会です。追悼の会を大切にしましょう。

◎阪神淡路大震災で姉を亡くした方からのメッセージ

留意事項

※報道関係者は、被災した子どもたちに被災体験を語らせたり、絵に描かせたりしないでください。被災体験は、安全・安心・信頼の関係性のなかで表現されてこそ、回復への力になります。逆に、安心・信頼のないなか表現を強いることは二次被害を与えます。

※被災した子どもの利益にならない研究のためのアンケート調査は絶対に行わないでください。阪神淡路大震災のときも中国四川大震災のときも、調査公害が多発しました。この災害では決してそのような二次被害が起こらないようにしてください。

※心やストレスのアンケートを実施する時期は、ある程度ライフラインが復旧し、日常が回復してからが適切です。また、アンケートを実施するときは、さまざまな心身反応が起こるのが自然で、それぞれに対処する方法があるという「心理教育」のメッセージを送ってください。また、アンケート実施の前後に、背伸びや漸進性弛緩法や呼吸法や動作法などの「ストレスマネジメント体験」を提供してください。そして、担任が全員に5分でいいから、「個別相談」をし、かつ、ハイリスクの子どもさんには、保護者の了承をえて、スクールカウンセラーの「個別相談」が実施できるようにしてください。


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日本の電機メーカー:倒れた強者

2011.03.09(Wed)  The Economist

(英エコノミスト誌 2011年3月5日号)

元チャンピオン企業がプライドを捨て、海外のライバル企業と提携している。

日本の電機メーカーはかつて国力の縮図であり、20世紀後半の消費者向け技術を規定した。ソニーはトランジスタラジオとウォークマンを開発した。ノート型パソコンの大量生産を最初に始めたのは東芝だ。1915年に考案したシャープペンシルから社名を取ったシャープは、他社に先駆け太陽電池や液晶ディスプレーを開発した。

 これらの企業は、国内で効率的な業務を運営し、そこから西側諸国に大量に製品を出荷することで富を築いてきた。

変化に乗り遅れた日本勢

 しかし、世界が変わり、日本のハイテク企業は後れを取った。各社はあまりにも長い間、コストの高い日本で付加価値の低い生産活動を維持し過ぎた。国内の顧客を満足させようと、海外の顧客には意味のない高性能を追い続けた。新興国市場への参入も遅かった。

 NECと日立製作所の過去10年間の総資産利益率は2%前後だ。日本は昨年、テレビとステレオの純輸入国に転じるという驚くべき逆転も経験している(もっとも、梱包にはしばしば日本のブランド名が刻まれている)。

 ここ数カ月間、電機メーカー各社は業務を外部委託したり、業績の悪い部門を売却したりして事業の見直しを始めた。その中で、かつてなら自分たちより劣ると見なしただろうアジアのライバル企業と提携している。

NECとレノボ、パソコン合弁で最終調整へ 日経

米IBMがパソコン事業をレノボに売却したのは2005年。NECは6年遅れてレノボと手を組み、パソコン事業から一部撤退することになった〔AFPBB News

 最も大きな変化が起きているのは、業績不振が最も著しいNECだ。同社は2月25日、液晶パネル子会社の株式の70%を中国航空技術国際(AVIC)グループに売却することで合意した。

 その数週間前には中国のパソコンメーカー大手レノボと合弁会社を立ち上げ、パソコン事業から一部撤退している。

 レノボとの提携は、これまでの失敗を暗に認めるものだ。日本で20%の市場シェアを誇るパソコン国内最大手のNECも、世界市場のシェアは1%に満たないのだ。

 今回の提携はIBMがレノボにパソコン事業を売却してから6年後のこと。これだけの遅れは、NECがより多くの損失を抱え込み、その分、事業価値が下がったことを意味している。


 東芝は12月に一部のロジックLSI(大規模集積回路)の生産を外部委託すると発表した。韓国のサムスンがその業務の一部を請け負うことになる。フラッシュメモリーなどで激しく競合する相手と手を組むという東芝の決断は注目に値する。

 EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手である台湾の鴻海精密工業(フォックスコンとしても知られる)も触手を伸ばしている。ソニーは昨年、メキシコとスロバキアのテレビ工場の経営権を鴻海に売却し、同社に生産を移転した。現在ソニーが販売するテレビの半数は「資産軽減戦略」に基づいて他社が組み立て作業を行っている。1年前、その割合はわずか20%に過ぎなかった。

 鴻海は、シャープとも一部の液晶パネルの生産委託について協議していると噂されている。また、携帯電話用の小型液晶ディスプレーを製造する日立ディスプレイズにも、経営権取得を打診しているという。

 相次ぐ提携は、台湾や韓国、中国の企業が日本勢に追いついたことを物語っている。また、こうした外国企業が、強烈なライバルであると同時に有益なパートナーにもなり得るということを、日本人が自覚したことの表れでもある。

技術力はなお一級

 こうした提携によって、日本企業は資本集約型で薄利な事業(規模は必要だが、製品はほとんど差別化されていない)から撤退できる。また、自由になった日本企業は各種製品を販売する高級ブランド企業、関連サービスの提供者となり、さらには次世代機器を開発することに専念できるようになる。それが日本勢の望んでいることだ。

 日本の電機メーカーは依然、イノベーションの強者だ。NECは2月に、海外企業との提携を発表するとともに、世界一薄い携帯電話(7.7ミリ)と世界初となる生体認証のための非接触型指紋・指静脈読み取り装置を開発したことを明らかにした。

 特にNECが再生を遂げるのはまだ遠い先の話だろうが、日本企業の技術力は、彼らが第一線を離脱したとはまだ考えない方がいい、ということを意味している。

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社説:政治の漂流を甘受する日本

2011.03.09(Wed)  Financial Times

(2011年3月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

前原外相が辞任、枝野官房長官が臨時代理を兼務

前原誠司氏の辞任で、民主党政権は3人目の外相を探すことになった〔AFPBB News

おっと、また日本の大臣が辞任した。この1年半足らずの間に、日本の民主党政権が擁した首相は2人目、財務大臣は3人目だ。

 そして今、小さな政治資金スキャンダルで前原誠司氏が外務大臣を辞任したことで、政権は3人目となる外相を探している。

 政治評論家が確かな後任候補の名前を挙げられないことは、民主党内の人材不足を示す嘆かわしい証拠だ。

 忘れないでほしいが、これは政治主導と官僚支配からの脱却を公約に掲げた政党の話だ。舵を取るリーダー不在の状況で、政治家たちはこれまで以上に、(保守志向が強すぎるとはいえ)専門知識豊富な官僚に頼っているというのが悲しい現実である。

もし官僚組織に恵まれていなかったら・・・

 訓練を積んだ官僚組織に恵まれていなかったなら、日本は本当に深刻な事態に陥っていただろう。内政も外交も、危険なまでに迷走していた恐れがある。ありがたいことに、政治家がメトロノームのような規則正しさで就任と辞任を繰り返しても、政策の眼目は概ね一貫性を保っている。

 では、指導者が次々代わることは問題なのだろうか? 

 外交政策の面では、確実に影響がある。リーダーシップの欠如は、日本の信用低下を意味する。一貫性が保たれているとはいえ、日本は漂流する危険に直面している。日本政府は今、新しい状況に適応しようと苦闘しているからだ。

 民主党は米国および中国との関係を等距離に保つという原則を掲げて政権の座に就いた。これは、日米間の防衛同盟関係と新たな日中関係との間のバランスを取ることが求められる微妙な概念だった。

漁船衝突事件、中国人船長に賠償請求 海保

日本の政治体制が問題に対応できる状況になかったため、尖閣ショックは必要以上に長引いてしまった〔AFPBB News

 この政策は暗礁に乗り上げてしまった。中国との関係は、むしろ後退した。その顕著な例が、日本の施政下にあるが、中国も領有権を主張する尖閣諸島(中国名は釣魚島)で昨年起きた外交騒動だ。

 両国間の緊張をヒートアップさせたのは、中国側の姿勢によるところが大きかったかもしれない。

 だが、当時やはり政権を揺るがす危機に見舞われていた日本の政治体制も、問題に対応できる状況になかった。その結果、「尖閣ショック」は必要以上に長引き、日中関係がさらに悪化する事態を招いた。

 前原氏は、菅直人首相の有力後継候補と見られていた。菅首相自身も就任わずか8カ月にして辞任の圧力にさらされている(こうなることは必然だったのかもしれない)。

日本の首相など誰も気にしなくなる?

 前原氏は、辞任要求を断固としてはねのけることもできただろう。今回の政治資金問題は、前原氏が日本で長く暮らす在日韓国人から3000ドル相当の献金を受け取ったというものだ。これは日本の偏狭な法律では違法に当たる。

 前原氏の早々の外相辞任は、首相として政権に復帰する可能性がわずかながら残されたことを意味している。問題は、その頃には、日本の首相がどうなるかなど誰も気にしないのではないかということだ。

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Flood Maps
自分の住んでいるところが海抜何メートルか? というのは意外に知らないもの。自分の住んでいないところに関してはなおさらです。たとえば、ゴールデンウィークの旅行先で大規模な地震にあったら、高台に避難すべきなのかどうなのか? どこまで避難すればよいのか? など、わかるはずもありません。
そのようなときにわかりやすいのが、「Flood Maps」です。左上の「Sea Level rise」を調整すると、その高さ以下の地域が青く表示されます。
津波の高さは海抜だけでなく、湾の形状などによっても大きく異なってきますが、だいたいの参考になるのではないかと思います。